令和の元号に代わり、皆様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
去る2019年6月1日(土)~2日(日)、第4回目の「うさぎフェスタ」を開催致しました。
" うさぎフェスタ "は日頃は京町家旅館として営業している" 京宿うさぎ "が施設を開放して、様々なつくり手さんがアートや手工芸の作品を持ち寄って展示したり、販売したり。お越しくださる方や集うみんなが楽しめるお祭りのようなイベントを!との思いから企画したものです。
両日お天気にも恵まれ、過去最高の約350名の方々にご来場いただき、館内のあちこちから歓声が聞こえ、熱く盛り上がっておりました。
"うさぎフェスタ2019"にご来場くださった皆さま、ならびに出展者の皆さま、ご関係の皆さま、誠にありがとうございました。
今回は昨年を大きく上回る32組の出展を迎え、それぞれのコーナーで熱心に作品を見たり、つくり手の方から説明を聞いたり、中には久しぶりの再会を喜びあうシーンも。
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それでは、「うさぎフェスタ2019」の様子をレポートさせていただきます。
京宿うさぎの「お庭」「お空」「お山」「お池」4つのお部屋が会場になっています。
ようこそ、うさぎフェスタへ!
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【お庭】
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・フェルト(そがまつみ)
ウールは縮むという特性を利用して、独自のフェルト作品を創っています。継ぎ目のない一体成型はウールという素材の自由さによるもの。
坪庭の前に横たわる何とも不思議な造形。存在感が凄い。
オブジェやバッグは思わず感触を確かめたくなります。
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・引箔(楽芸工房)
西陣織の帯に用いられる伝統技法の「引箔」その技術を生かし、アートパネルや箸に。金属の強い光沢が豪華で贅沢な印象を与えます。
箔が輝くお箸は使うのがもったいなくなるほど。材料から選んで手作りしています!
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・金彩扇子 (米原康人)
京都の土地に宿る祈りや東洋的思想、美徳など見えないものを、箔と扇子を使い表現したい。
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・抹茶で一服コーナー(黙楽庵・なかじ)
楽しくなければお茶じゃない!を合言葉になんとワンコインで抹茶を一服。
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・ベルギー生ビールとオリジナルグッズ(京宿うさぎ)
ホワイト生とブラウン生。おつまみ付きでワンコイン。暑さを吹きとばせ〜
京宿うさぎオリジナルの一筆箋とあぶら取り紙。これレアなんですよ。
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階段を上がって「お空」へ
【お空】
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・色鉛筆花絵(則武千鶴)
これが色鉛筆?と思うほど力強く、見る人をドキッとさせます。
今回一番の大作
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・ガラス器(ハニカム堂)
屋号のとおり、ハニカム(六角形)をモチーフにした器は、カラフルでポップ。楽しい食卓が目に浮かぶようです。
ハニカム(蜂の巣)柄が可愛い
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・手描き友禅(染工房 正茂)
優雅な手描き友禅の世界。分業が当たり前の中でほとんどの工程をお一人で手掛けられる稀有な職人さん。
友禅が染めの技法の名前なんて初めて知りました。
手描き友禅体験も行われました。見るより難しい!?
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・京友禅金彩工芸(二鶴工芸)
煌びやかな金彩の世界。金銀の箔を使った帯やパネルは神々しくさえある。
ガラスに金彩を施したお皿
イベントではずれなしのワンコインくじ。どれが当たっても素敵です!
・京焼青瓷(蘇嶐窯)
大好きな青瓷の器たち。伝統を守りつつ、普段の使いやすさが追及されてます。
竹工芸とのコラボ作品。色合いのコンビネーションが素敵。
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・バッグ・ジュエリー(MURA-LA)
贅沢でお洒落なバッグがたくさん。ジュエリーと共にオリジナル作品が並びます。
みんな欲しくなってしまう・・
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・新万葉染め(京都川端商店)
オーガニック染料で染め上げた草木染。色見本のようなストールたちは色ごとに名前がついています。
・紅茶、焼菓子(まつは)
二条富小路の町家カフェが出店してくれました。紅茶、焼菓子の販売。クッキーにはうさぎもいます。(^‐^)
「お空」は、まつはさんのミニサンドや焼き菓子と美味しい紅茶がいただけるのカフェコーナーになっておりました。お客様もほっと一息・・・
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さてさてお次の会場へ
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【お山】
1階から
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・アクセサリー(SINRA)
「この世の有相無相、森羅万象(しんらばんしょう)への祝福」をテーマにしています。天然石を使った上質でシンプルかつユニークな「人に寄り添う」ジュエリー。
多くのお客様が訪れ、終始賑わっておりました
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・金彩工芸(takenaka kinsai)
友禅の着物を華やかに仕上げる金銀を使った技法で、テーブルウエアやステーショナリーを作りました。
パーティーにあれば嬉しいグラスマーカー。着物の絵柄がそのままコースターや箸置きに。
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・西陣織(タイヨウネクタイ)
明治40年創業の西陣織の製造元。自社工場で製織し、糸染め、縫製も全て京都にこだわっています。
光沢の美しい西陣織りのネクタイは、父の日が近くプレゼント用にも人気。
ワークショップはくるみボタン作りとタイピン作り
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お二階へ
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・京こま(雀休)
公家の女性が着物の布を竹の芯に巻いて作ったお座敷独楽が始まりといわれる京こまを現代に復活させました。
カラフルで大きさ、形も様々な京こま。古き良き遊びの文化も伝えたい。
京こまつくりを体験するワークショップも開かれました。
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・京漆器・螺鈿(嵯峨螺鈿・野村)
古来から続く漆芸、螺鈿の技法でジュエリーを作成しました。新鮮です!
体験も行われ、大変熱心に取り組まれておられました。
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・京の金属工芸(小林錺金具工房)
普段は神仏具の錺金具製作、文化財の修復などを手掛けています。今日はブローチや帯留め、かんざしなどのかわいい装身具が沢山。
たがねを使って金属に模様を施す実演も行われました。
指先よりも小さなパーツを自在に操るのは まるで魔法のよう。
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・京組紐(昇苑くみひも)
縄文から続く紐を使う文化。組紐は仏具や茶道具、刀や鎧、着物の帯締めとさまざまな用途に使われてきました。美しく丈夫で機能性に富んだ組紐の持つ可能性をもっと広げようと日々探求しています。
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・おりん・鈴(南條工房)
音の良い佐波理(さはり)おりんは大きさや厚みで音色が変わり、音階のように並べて演奏するアーティストの方もいるそう。仏具としてだけでなく、音を楽しむ鳴り物として開発。
携帯できるおりん鈴の「LinNe(リンネ)」は昇苑くみひもさんとのコラボ品。
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それでは、最後の会場「お池」へ
こちらは、京都の工芸の作り手の方がひとつのチームとなって、テーマを決めて館1棟を設えるスタイル。今年のテーマは京都の色「京の青朱白玄(せいしゅはくげん)」
*青朱白玄(せいしゅはくげん)、お池全体の空間コーデネートは、"おきにのうつわ"が担当しました
風呂敷にもうさぎの紋が
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【お池】
青(せい)の展示
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・石朱印帳(石川石材)
京都の職人の技術を結集してつくった、世界にただひとつの、石の御朱印帳が「心和 こころなぐ」です。お参りしたときの清らかな気持ちを残してほしい。そんな願いがこめられています。
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・ペーパークイリング(アトリエ*A)
紙をくるくる巻いて花などのモチーフを作り、組み合わせて様々な絵柄を作り上げていくペーパークラフト。小さなお子さんにも人気でした。
ワークショップではこんな可愛い封筒ができました。
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朱(しゅ)の展示
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・京石工芸品(河波石材店)
可愛いお地蔵さんとたぬきさん、夜には飛び石つたいにお出かけしそう。玄関先ではうさぎの像も鎮座しています。
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・蕎麦殻染 そばがらぞめ(長岡庸仁)
自然な色合い、独特の風合いが魅力。蕎麦殻から手間暇かけて抽出した色素で一点一点染め上げていて他にはないものです。
ジャグジーのバスタブにまさかの展示。なぜか馴染む
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二階に上がりましょう
二階展示の様子
白(はく)の展示
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・京都の金属工芸(仁科旗金具製作所)
旗頭(はたがしら)、纏(まとい)やお神輿の飾りなどを技術を活かして、一輪挿しや文具など新しい金属工芸を発信。
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・京焼・清水焼(和蘭)
色とりどり、多種多様な技法、デザインがある京焼・清水焼。ふだん使いのうつわをめざし作成しています。
玄(げん)の展示
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・竹工芸(京都竹工房ゆうすい)
「伝統の技を現代の意匠に」をコンセプトに、食器や生活雑貨の竹製品を提案されています。美しさと使いやすさを兼ね備えていて、おもわず手にとってみたくなります。
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・西陣つづれ織(のざき)
横糸だけが見えるつづれの技法を活かした儀礼袱紗(ふくさ)を製造し、文化の継承にも尽力。袱紗の生地を用いたバックやクッションなどにチャレンジしています。
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・印染 しるしぞめ(スギシタ)
のぼりや旗、風呂敷などを染める印染(しるしぞめ)。その技術を活かしたTシャツは着心地が良くリピーターが続出しているそう。袢纏の刺し子を使ったバッグも展開。
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・和蝋燭(中村ローソク)
櫨(はぜ)ロウでつくった和蝋燭は、すすが出にくく長い時間燃え続けます。美しい絵柄は海外旅行者のお土産としても人気が高い。
障害者アートの天才アート作品も展示
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熱い2日間が過ぎ去り、今年も無事うさぎフェスタの幕がおりました。「お池」の庭を飾ってくれた石材作品もクレーンで搬出されていきます。
来年、再来年と続いていけるよう、より楽しい催しとなるよう力を尽くす所存です。
皆様とまたお会いできますことをお待ちしております。